上田市中央の趣味のきもの・ゆたかや(田中浩二社長)でこのほど、1月7日「人日の節句」恒例の「上田七草の会」が無観客で行われた。今日7日(木)から、ユーチューブに配信される。
昭和62年から始まった同会も、今年で35回目。毎年、和服姿の120人余の善男善女らが訪れ、市内の民俗研究家・小宮山宗輝さんの音頭で古式ゆかしい「七草の儀式」などを楽しんでいる。しかしコロナ禍、「3密」は避けたいが「縁起事」は続けたいと、「上田七草の宴」として実施したもの。
裃姿の小宮山さんは、恒例になった「今年の易」を解説。「今年は夏至を境にしてコロナは沈静に向かい、冬至の頃になるとコロナも終息に向かうのではないか」とし、「抑え込まれるのが翌うさぎ年。初めて地上に太陽が昇る。それには地球を守らなくてはいけない」と伝える。
続いて小宮山さんは水千着に着替え、島台に七草を載せて登場。切り火を切って包丁や七草を清め、「七草なずな、唐土の鳥が日本の国へ渡らぬ先に」と囃しながら、7つの台所用品で7回ずつ七草を叩き、大陸から渡ってくる鳥が疫病を日本に落とさぬよう、コロナがこれ以上流行らぬよう祈った。
門付けの獅子舞も来なくなり、この地域で正月に獅子舞を見られるのはここだけ。東八拳江戸桜会・伊の岩さんが江戸寿獅子を舞い初めして厄払い。また二胡奏者・今井美樹さん(東御市)が『春の海』などの曲を演奏。会場は正月のめでたい華やかさに包まれた。
田中社長は、取材に「35回続けてくることは、なかなかできることじゃない。続けていくことの大切さを感じている。切らしたらそれまで。半永久的に続けていきたい」と話した。なお収録された内容は「香青軒ユーチューブ」(無料)で視聴可能。