上田地域広域連合消防本部丸子消防署と依田窪南部消防署は20日、旧丸子中央病院の建物で合同の消防救助訓練を実施。併せて上田中央消防署も独自の訓練を行った。
会場は、丸子中央病院(上田市中丸子)が2013年に現在の位置に移転して以来、同病院の倉庫などとして活用していた場所。今月24日(月)からの解体作業開始が決まっており今回、訓練に使用された。解体前だからこそできる内容の消防救助訓練だ。
この日は丸子消防署・依田窪南部消防署から17人、上田中央消防署から13人の計30人が参加。外部からの消火活動が困難な建物などに設ける「連結送水管」を使用したホース延長訓練では、建物外部にある送水口にホースを連結し、付近の水路から火災想定の階まで送水する訓練を実施。上田中央署は、はしご車での救助訓練も行った。
また停電状態と同様の建物内では、円刃カッターを使った切断など破壊を含むドアの開放訓練や、停止したエレベーターの開放訓練、建物内の階段などを使ったホース延長訓練などを行い、約3時間にわたって実際の現場に近い状況下での訓練に汗を流した。
参加した丸子消防署・品川晃輔消防士長は「過去にも建物解体に合わせた訓練経験はあるが、頻繁にはない。非常に現場に近い状況で、普段できない訓練ができ大変貴重な機会」と話す。
一方、上田中央消防署・松崎和芳副署長は「今、実際の災害もなく、若い職員の経験が無い。頭の中のイメージだけでなく、こうして実際に破壊したりして経験することで、現場に行った時に生きてくる」と語った。