新型コロナウイルスの感染者や医療従事者らにかかる誹謗中傷や偏見に歯止めをかけようと、「シトラスリボン運動」活動を推進する、上田市のNPO法人「健康サポートまごの手」(斉藤恵理子代表)メンバーは3日、県庁を訪問して阿部守一知事と懇談した。
シトラスリボン運動は、松山大学(愛媛県松山市)の研究者らが提唱したもの。「『ただいま』『おかえり』を言い合える地域に」とのコンセプトを挙げ、感染者や医療従事者、その家族らが地域に帰って来た時に、普段どおりの生活に戻れるように願った運動。リボンには、「地域」「家庭」「職場または学校」の3つの場所を『輪』で結ぶという意味がある。カラーはシトラス色(黄緑色)で、そのリボンを付けてもらう活動だ。
この日、まごの手・斉藤代表は「シトラスリボン運動の意味に共感し、上田地域で願いを込めて行った。最初はささやかな活動」と、いきさつを説明。そして「新聞報道をきっかけに『協力したい』との声があり、企業や大学など多くの人が協力してくれた」とし、「新型コロナウイルスが収束しても、この問題は長く続くと思う。県に応援してほしい。『アルクマ』くんとコラボしたい」と要望すると、阿部知事は応じる姿勢を示した
シトラスリボン運動の活動を聞いた阿部知事は、「誹謗中傷や偏見がない世界をつくっていきたい。ぜひ進めてほしい」とし、「できることは協力したい。医療に携わっている人は、リスクと向き合いながら頑張っていただいている。差別はあってはならないこと。深刻な問題だと思っている。」とし、「シトラスリボン運動を広げ、長野県はそういうことはないという社会にしていきたい」と伝えた。
斉藤代表は最後に、「今後の活動にしっかり反映させ、広げていきたい。より多くの人に知っていただき、考えるきっかけになってほしい。コツコツとやっていく」と決意を表した。