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【上田千曲高】生活福祉科生徒が障がいある人と交流学習 井出さん「大切なのは心のバリアフリー化」  『助け合いマーク』を一緒に作ろうと提案

上田千曲高校生活福祉科の「地域福祉の研究・障がい分野」を学ぶ3年生8人は、障がいのある人との交流学習に取り組み、「誰もが住みやすい福祉のまちづくり」について考察している。

8日には視覚障がいのある講師から「障がいについて」「地域での生活について」など話を聴き、15日は市内在住の車いすユーザー・井出今日我さんを学校に招いて話を聴き、大学生や有識者を交えて討論を行った。

井出さんは佐久市出身、上田市在住の30歳。5歳のときに筋ジストロフィーを発症し、病気の進行により車いすでの生活を送っている。24時間ヘルパー制度を活用して一人暮らしをし、障がい者の地域生活を支える「CIL上田Gropping」の代表を務める。

井出さんはこの日、発症から現在に至るまでの病気の進行と心の変化を語り、「診断日に母は病気について説明し、『一生懸命生きようね』と言った。このメッセージが自分を支えている」とし、「病気が進行して母と手をつないで歩くこと、学校行事に父がついてくることを恥ずかしいと思って反発したり、友人とのコミュニケーションに悩んだり。障がいと向き合うのは時間がかかった」などと伝える。

また人との出会いから、高校2年にスイス・アルプスのブライトホルンへの登山に挑戦したこと、大学時代に重度障がい者の自立について考え始めたことを話し、「夢を叶えるには自分自身で切り拓くこと。声を上げなければ支援も受けられない」と語った。

討論では、授業担当の知久朱美教諭が「障がいがあることで選択肢が狭まることは無いか」と問いかけると、「車いす席は場所が決まっていて、好きな場所に行けない」などと具体例を挙げて答え、「大切なのは心のバリアフリー化。関わり不足だから理解が進まない」と述べた。また井出さんが啓発活動として2年ほど前から上田駅前で行う、「フリーハグ&握手」(街頭で見知らぬ人と関わる活動)について話すと、生徒の一人が「友だちと一緒に握手しました。どうしようと思ったけど、このまま通り過ぎていいのかなと思い、勇気を出しました」と語り、他の生徒も場面を想像しながら心のバリアフリーについて意見を交わした。

そして井出さんが支援や配慮を必要とすることを伝える『ヘルプマーク』を示し、「これは当事者しか使えない。『手助けしますよ』という意思を伝える『助け合いマーク』を一緒に作りませんか」と呼びかけ、今後も交流を続けて「福祉のまちづくり」を共に考えていくことを確認し合った。

授業風景。井出さんの大学時代の恩師と長野大学生はオンラインで参加した

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