上田市新田のイイジマ薬局(飯島裕也社長)で6日から、日本初となるOTC(市販医薬品)用デジタルショップディスプレイ(BD Rowa Vmotion デジタル・シェルフ)の実証実験が始まり、説明会と見学会が行われた。
同社では1日から、調剤業務の効率化と患者の待ち時間短縮を実現しようと、県内初の薬局ロボット(BD Rowa Vmax)が本格稼働。同システムを扱う日本BD(ベクトン・ディッキンソン)㈱が、調剤薬局でありながらOTC売り上げ割合の多いイイジマ薬局に、同ディスプレイシステムの実証実験を委託したもの。
デジタル・シェルフは店内に医薬品を陳列することなく、壁の大型ディスプレイ上で説明・選択し、スクリーンをタッチすることでシステムから薬剤が売り場に払い出される。また薬局ロボットは、同装置のロボットアームが薬剤を装置内の棚に陳列や仕分けし、また処方箋に合わせて医薬品の入った箱やボトルを自動で取り出し、払い出す仕組みだ。
超高齢化社会・日本にとっては医療保険財政と介護は大きな課題で、医療費増大の抑制や薬剤の正しい服用および重複薬剤の削減、飲み残しなどによる医薬品廃棄の削減など、課題解決のためには薬剤師の役割が大きい。そんな中、薬局ロボットの導入などにより調剤過誤の減少と、薬剤師の業務効率化などが図れるとしている。
市内で行われた説明会で、飯島社長は「これからは調剤技術より専門的な薬学、コミュニケーション能力が必要」とし、「ロボットやディスプレイを導入することで、薬剤師らの時間を開け、対人業務へのさらなるシフトを図り、地域密着型の薬局を目指す」と抱負を述べた。なおイイジマ薬局では今秋から、患者が24時間いつでも希望する時間に、調剤医薬品を受け取れる日本BD「ピックアップターミナル」を導入予定だという。