【上田市内】上田千曲高生徒が「桑の実摘み取り」 障がい者福祉施設との連携活動行う! コロナで人手足りない中の地域支援

信州民報

上田市中之条の上田千曲高校福祉科で「地域福祉の研究・障がい分野」を学ぶ3年生8人はこのほど、今年度初回の実習「障がい者福祉施設との連携活動」を実施。障がいを持つ人の就労を支援する、多機能型事業所・NPO法人エリスン(市内舞田)の「桑の実摘み取り」に参加し、共に作業を行って交流・理解を深めた。

同校福祉科は昨年度、「障がいのある人の『仕事』を支える活動」として、エリスンの自主製品販売促進に関わった。具体的には、『くわの実サイダー』の「上田千曲高校限定ラベル」を作成。美術班生徒が切り絵で「上田城」や「別所線」など、上田らしさを表現したラベルは好評で文化祭や市内イベントで販売し、1320本を売り上げた。さらに大きな被害をもたらした台風19号以降は、別所線復興支援として『がんばれ別所線ラベル』での販売を行い、募金を含めて総額18万円を上田市に寄付した=本紙既報=。

担当の知久朱美教諭は「今年度もエリスンでの体験・交流活動と、『くわの実サイダー』の販売活動を継続する」とし、「桑の実の収穫ではコロナの影響で人手が足りず、大変な思いをされているとうかがった。生徒は実習を通じて地域支援のあり方に考えを巡らせ、福祉への理解を深めていくと思う」と話す。

エリスンは地元の歴史・特色に着目した障がい者就労支援活動を展開しており、その一環として桑畑を開墾して桑を利用した商品開発に取り組み、桑の実ジャムや桑茶などを生産・販売している。市内の塩田・丸子・武石に6カ所の農場を持ち、桑の木は約2000本を育てているという。

千曲高校の実習は上田市古安曽の農場で行い、大きなものは2㌢ほどもある桑の実を1粒ずつ収穫。生徒は「楽しい」と夢中になって摘み取り、「地域の文化を知る機会にもなった。これから連携活動を続ける中でコミュニケーションをとり、障がいへの理解を深めていきたい」と話した。

エリスン職員は「現場体験は福祉施設がどんな商品を作っているか、どんな人が関わり、協力して形になっていくかなどを知る貴重な機会になると思う。施設利用者も、高校生との交流を楽しみにしている」と話した。

桑畑(上田市古安曽)での摘み取り作業に参加した

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