【「認知症を知ろう」参加者が疑似体験】 上田市で初「信州だから元気」が主催 上田市 丸子文化会館 

信州民報

認知症の症状をVR(バァーチャルリアリティ、仮想現実)で疑似体験―。上田市の丸子文化会館会議室で15日、「認知症を知ろう」との体験会を開催。午前・午後の2回行い、計33人が参加した。


主催は「信州だから元気」(吉田美佐代代表、5人)で、市のわがまち魅力アップ応援事業を受けての企画。上田市では初の開催だ。「認知症の人も共に働ける社会を目指すには、その症状を知り、理解を深めることから」と、吉田代表は話す。


会場では参加者がゴーグル型のVR体験装置を着用し、認知症の症状を疑似体験。この専用機械をつけると、三次元空間を視覚やその他の感覚を通じ、疑似体験できるようにしている。内容は3種類で、急に行き先が分からなくなってしまったり、ないものが見える幻視などを体験した。


講師は㈱シルバーウッドのVR認知症プロジェクト・黒田麻衣子氏で、1年半前からプロジェクトを立ち上げて全国の自治体や企業、教育機関などで講師を務めているという。黒田さんは「この疑似体験を通し、認知症の人の視点から考えてほしい」とし、「偏見をなくし、認知症になっても住み慣れた地域で幸せに過ごすことができる社会を共につくりたい」とした。


さらに「認知症になっても、今までの役割や生きがいを発揮できる地域、認知症であることを打ち明けられる地域に」と、呼びかける。終了後、参加者からは、「疑似体験をし、不安を覚えた」との声や、「認知症について、少しだけ理解できた」との声があった。


国は認知症に対する正しい知識と理解を持ち、地域で認知症の人やその家族に対してできる範囲で手助けする「認知症サポーター」を全国で養成し、認知症高齢者らにやさしい地域づくりに取り組んでいる。

▲会場では参加者がゴーグル型のVR体験装置を着用し、認知症の症状を疑似体験した

[信州民報:2018年7月19日(木)]

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