【上田地域で1校・塩田中が体験授業】 県内産「杉」使用の手作りイス製作 上田市

信州民報

木造建築物の担い手である「大工技能者」への関心を高めよう―。「大工さんの技能実演に接する体験授業」は17日、上田市立塩田中学校で行われた。県が県建設労働組合連合会と協働して実施するもので、同校では3年目。今年度は県内9校で実施し、上田地域では本校のみの実施だ。


この日は1日かけ、同校1年生6クラス約200人を対象として授業を行い、大工技能の実演や県内産「杉」を使用した「手作りイス」製作を実施。出来上がった部品を組み立てるだけのキットを用いる学校が多いなか、同校では板材の長さを測り切るところからイスを作っている。


1クラス2時間の授業では、イスの座面となる部品などの切断成形や面取り、組み立てなどが主な作業だ。㈱林工務店から大工5人が訪れ、大工技能の実演やイス製作の指導を行った。2組(34人)の授業では、生徒らは鉋(かんな)やげんのうの扱い方を大工らに習い、楽しみながらも真剣な表情で作業に取り組んでいた。


県上田建設事務所建築課・中村均課長は「建設業界では高齢化が進み、職人が減ってきている。若手の大工の養成が必要だが、まずは将来的に建築の伝統技能を継承するなり成り手を探さなければならない」とし、「中学生らには将来、職業選択をするにあたり大工はどんな職業で、どんな楽しさがあるかこの機会を通じて知ってもらいたい」と語った。


同校技術家庭家担当・二村智教諭は「子どもたちは大工さんと一緒に作業することで、より上手くイスを作ることができ、楽しんで作業している。本授業も3年目だが、授業を受けた子どもたちの中には、将来なりたい職業を大工と書く生徒もいる」など授業の効果を話した。

▲大工から細かな指導を受けながら、生徒らが釘を打つなどしてイス作りを行った

[信州民報:2018年7月18日(水)]

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