上田地域広域連合消防本部広域救助隊は13日、上田市藤原田の箱畳池で「水難救助訓練」を行った。同訓練は水と親しむ機会が増える季節を前に水難救助資機材の操作を熟知し、水難救助現場での潜水士・ボート隊・地上部隊の連携を図ることが目的だ。年1回、管内の池で様々な状況を想定して訓練を実施している。
この日は、同消防本部及び8消防署から72人が参加。池の中にある島で動けなくなった人を救助する訓練、池で溺れた人を周辺地形の利用で救出する訓練、池の中に沈んだ人を潜水して引き上げる訓練など各種訓練を実施したほか、現場指揮本部なども設置し、無線を使った指揮隊運用訓練も行った。
池の中の島のけが人を救助する訓練では、先着隊が陸上から救命索発射銃を使って島にロープを渡し、必要な資機材を要救助者に届けたり、後着隊がボートで救助に向かうなど、資機材の操作・隊同士の連携を確認する。
同消防本部警防課・宮原正晴課長は「ボートは各隊にあるわけではないが、大きな災害となると各署の連携が必要になってくる。ボートの取り扱いなど技術の統一化、救助に関する意識の統一化で効率のよい部隊運用を図りたい」と、訓練のねらいを語る。また「陸上の救助と違い、環境に水があるということは要救助者の皆さんの死に直結し、救助側にも大きな活動障害となる。訓練内容は、豪雨災害の堤防決壊時などに重要になってくる」などと語った。
なお同消防本部管内の水難救助件数は平成24~29年(平成26年は0件)の間に、事故車が運転手ごと川に転落するといった事案など、毎年2~3件の水難救助事案が発生している。
[信州民報:2018年7月15日(日)]
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